大貫勇輔インタビュー ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』「たくさんの人の力を借りれば僕でもケンシロウになれるかもしれない」(後編)

――稽古中や本番中にルーティンとして何か取り入れていることはありますか?
作品ごとに必ずルーティンを決めるというのが僕のルーティンですね。この公演だったらこの時間に起きるとか、食べるものもほとんど一緒にします。
何時間前にこういうものを食べて、劇場に入ってからは分刻みで全部決めて行動しています。なので、役によってルーティンが全然違います。減らすということはあまりないですが、やりながらもうちょっとこうしたいなと思ったら時間を足したりもしますね。
踊りが多いときは、バーレッスンやストレッチの時間が増えるし、この間のミュージカル『王家の紋章』のように、歌の方に重きがある場合はひたすら歌を歌っていたり。マッサージをする時間やトレーナーさんに身体を整えてもらう時間も全て決めてやっていました。

毎日闘っていると感じる
――では、作品にかけた質問もさせてください。「北斗の拳」は、大きな悲しみを背負いながらも、愛する人たちを守るために闘う主人公ケンシロウの物語ですが、普段大貫さんが役者の仕事をしていて闘っているなと感じる瞬間はどんなときですか?
もう毎日感じていますよ(笑)。 昔は休みたいと思った時期もあったのですが、最近は一切それもなくなりました。例えば、トレーニング中に「うわ、キツイな」と思ってからの後1、2回をどれだけ頑張れるか、みたいな。そういういう辛いと思っているときにあとどれだけできるかが、今の自分の中で闘っているところですね。

――今は休みもいらないくらいストイックに取り組まれていらっしゃるんですね。
そうですね。今はもう休んでいる場合じゃないというか。暇があれば、トレーニングや歌のレッスンに行ったり、サウナやエステに行ったり、何かしらやっています(笑)。
ただ、唯一夜にお酒を飲む時間だけは別で、自分の中でスイッチオフみたいな感じで。今は減量期なので好きなものが食べられないのがちょっと苦しいですが、お酒は飲んで食べ物は昼から全部決まったものを食べるといった生活をしています。

――では最後になりますが、改めて本作への意気込みを聞かせてください。
原作ファンの方が多い中で、原作を知ってる方たちも、怖いもの見たさじゃないですけど、ミュージカル化ってどうなるんだという思いが絶対にあると思うんです。でも、それを間違いなく超えるというか、「よかった」と言ってもらえるような作品になると思っています。さらに、アクションも歌も踊りもあって本当にエンターテインメント性の強い作品ですし、楽曲も素晴らしく深いメッセージ性のある作品なので、原作を知らない方にも楽しんでいただけると思います。
今の時代の人が見ても、共感できる部分が必ずある作品だと思うので。ミスミのじいさんの「今日より明日のために生きる」っていうセリフがあるのですが、すごく素敵なセリフだなと感じていて。こういったコロナ禍の環境の中で、みんながマスクをして過ごしていて、明日がどうなるかわからない今の日常ともすごくリンクしていると思います。本当に胸に響くセリフや歌がたくさんあって、幅広い方に感動を与えられる作品だと思いますので、ぜひたくさんの方に観に来ていただきたいです。
取材・文:THEATER GIRL編集部
Photo:青木早霞(PROGRESS-M)
公演概要
ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』
【東京公演】
2021/12/8(水)〜12/29(水)
日生劇場
【大阪公演】
2022年1月8日(土)・9日(日)
梅田芸術劇場メインホール
【名古屋公演】
2022年1月15日(土)・16日(日)
愛知県芸術劇場 大ホール
※2022年秋中国ツアー公演あり
原作:漫画「北斗の拳」(原作:武論尊 漫画:原 哲夫)
音楽 :フランク・ワイルドホーン
演出 :石丸さち子
脚本・作詞:高橋亜子
キャスト:
ケンシロウ:大貫勇輔
ユリア:平原綾香・May’n(Wキャスト)
トキ:加藤和樹・小野田龍之介(Wキャスト)
シン:植原卓也・上田堪大(Wキャスト)
リュウケン他:川口竜也
トウ・トヨ:白羽ゆり
マミヤ:松原凜子
レイ/ジュウザ:伊礼彼方・上原理生(交互で役替わり)
ラオウ:福井晶一・宮尾俊太郎(Wキャスト)
バット:渡邉 蒼
リン:山﨑玲奈・近藤 華(Wキャスト)
リハク他:中山 昇
青年ラオウ他:一色洋平
ライガ他:後藤晋彦
フドウ他:澄人
フウガ他:田極 翼
青年トキ他:百名ヒロキ
ダグル(※オリジナルキャラクター)他:宮河愛一郎
ミスミ他:安福 毅 他