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キムラ緑子インタビュー 舞台『有頂天作家』「改めて声に出して台詞を読んだとき、以前の感じとは違うものになっていました」(前編)

INTERVIEW

――一度コロナ禍で中止を経て、いろんな思いを抱いていらっしゃるかと思いますが、改めて『有頂天作家』とはキムラさんにとってどんな作品ですか?

こういった素晴らしい作家先生の脚本を読み、芝居をやらせていただく機会は、このシリーズがなかったらなかなか巡り会えないことだと思っています。この作品はそういう大事な出会いの場でもありますね。

私は淡路島出身なのですが 、この『有頂天シリーズ』が始まったとき、淡路島から両親含めて50人くらいでバスに乗って観に来てくれたんです。みんなニコニコして、「楽しかった。もう1回行きたい。またやらないの?」なんて言っていましたね。田舎のみんながこぞってお弁当を持って観に来てくれて、大笑いして楽しんで 、それをずっと大切な思い出にしていて。今でも「あのときこんなことあったね。えりさんとこんな格好していたね」と、みんなが話してくれる。まさに思い出に残る作品なんだなと思います。 そういう意味では、他の作品と違うんです。私にとって、とても大切な作品です。

「有頂天」という響き自体がもうすでに楽しそうですものね。ここに行けば楽しいことがありそうって思ってもらえるような。

改めて声に出して台詞を読んだとき、以前の感覚とは違うものになっていました

――キムラさんが演じる前田奈津についてうかがえればと思います。2年弱お芝居を寝かせたというお話が先ほどありましたが、改めて役に対してどんな印象を抱いていらっしゃいますか?

以前より、優しい大人の恋愛話という印象が自分の中で大きくなってますね 。 私たち二人の真ん中には渡辺徹さんが演じる涼月という男の人がいて、それぞれがいろんな思いで見ている。そういうのをもう少し深くやれたらいいなとは思っていて。涼月を媒体にして、私たちがもう1度結び付く。 だから今回はもっと大人な恋愛の部分をもう少し引き出せればと思っています。

2年しか経ってないけど、ずいぶん時がたったなと 。今改めて声に出して台詞を読んだとき、自分の中に確実にあのときより違う感覚があって。大人として1人の男の人を、親友である小菊とどういうふうに見て、どういうふうな結末を2人で付けていくのか。そんなところをもう少しはっきりやりたいなと思っています。

――さらに深みが増しているような感覚ですか?

そうですね。それがどういうふうに作品に反映されるかはまだ分からないですが、私の中では全く違うものになっています。本読みして「えー?」とびっくりしましたね。

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THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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