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井上小百合インタビュー 舞台「奇蹟 miracle one-way ticket」「それが人生だと、お客さんに受け取ってもらえたら」(前編)

INTERVIEW

――井上さん演じるマリモは、どのようなキャラクターなのでしょうか。

探偵とその親友が迷いの森に入り込むところからお話が始まるのですが、その迷いの森にいる謎の女性です。謎に包まれていて、善なのか悪なのかというのが分からない。彼女の過去や人生を紐解いていくと、少しずつ物語が見えてくるんです。その道筋が分かってくるとすごく面白くなってくるんじゃないかなと思います。

裏なのか表なのか、純粋なのか計算高いのかみたいな、あまり含みを持ちすぎると、本当にただ怪しい人になってしまうのですが、私としてはとても純粋だと解釈して今は演じています。多分、純粋ゆえに人を信じてしまった結果がこうなってしまったという。

マリモちゃんを通して、人の未熟さみたいなものをお客さまが感じてくださったらいいなと思っています。人に対して優しい言葉をかけたつもりが、その人にとっては厳しい言葉だったり、受け手によって全く違う伝わり方をしてしまうというか。同じ場所にいたのに、それぞれが別の道を歩んでしまったという、ちょっと切なく悲しい部分もあります。でも「それが人生だよね」ということを、お客さまが受け取って劇場をあとにできたらいいんじゃないかなと思っています。

――井上さんご自身と、演じるマリモという視点からの本作の面白さがありましたら、教えてください。

記憶をなくしたのに常に冷静な探偵の井上芳雄さんと、ずっと焦っている親友の鈴木浩介さんというバディが、すごく絶妙で面白いです。浩介さんが「え、なにそれ。これどういうこと?」とお客さん目線での台詞もあるので、難しいシーンでも引き込まれてしまいます。お二人を見ているだけですでに面白いです。

マリモちゃんは、多分善なのか悪なのかは、最後まで分からないと思うんです。見方によっていろんな受け取り方ができるので、お二人に対して、どういう立場でやっていこうかというのは今模索中ですが、とにかく楽しいですね。

取材・文:THEATER GIRL編集部
撮影:加藤孝
ヘアメイク 奥山信次(barrel)
スタイリング 中川原有(CaNN)

インタビュー後編はこちら

公演概要

シス・カンパニー公演
「奇蹟 miracle one-way ticket」

作:北村 想

演出:寺十 吾

出演:
井上芳雄 鈴木浩介 井上小百合 岩男海史 瀧内公美 大谷亮介

【東京公演】
3/12(土)~4/10(日)
(※3月12日~17日は公演中止)
世田谷パブリックシアター

【大阪公演】
4/13(水)~4/17(日)
森ノ宮ピロティホール

公式サイト:https://www.siscompany.com/kiseki/

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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