田村芽実インタビュー　音楽劇『クラウディア』「今やるべき作品を楽しんでいただけたら」（前編）

2022.06.13

INTERVIEW

2022年7月4日より東京建物Brillia HALLにてDaiwa House Special音楽劇『クラウディア』Produced by 地球ゴージャスが上演されます。

本作は岸谷五朗さん・寺脇康文さんが主宰する演劇ユニット「地球ゴージャス」によって2004年に初演され、翌年2005年にアンコール上演されました。桑田佳祐氏が書き下ろした「FRIENDS」ほか、サザンオールスターズの楽曲で綴るジュークボックスミュージカルで、約12万人の観客を動員した伝説の作品。再演を熱望する声が多かった本作が、この度18年ぶりに再演されます。

脚本・演出を手掛けるのは、地球ゴージャス主宰の岸谷五朗さん。根國の剣豪・細亜羅(ジアラ)役を大野拓朗さんと甲斐翔真さん、幹國の毘子蔵(ヒコゾウ)役を廣瀬友祐さんと小栗基裕さん、クラウディア役を田村芽実さんと門山葉子さんがWキャストで演じます。さらに美弥るりかさん、上山竜治さん、中河内雅貴さん、平間壮一さん、新原泰佑さん、湖月わたるさんと豪華な出演者が揃いました。

今回THEATER GIRLでは、クラウディアを演じる田村芽実さんにインタビューを敢行。前編では、役への印象や岸谷さんによる演出について語っていただきました。

インタビュー後編はこちら

なにかに引き寄せられているのではないか

――本作への出演が決まった時のお気持ちはいかがでしたか。

以前から地球ゴージャスさんの作品を拝見したことがあって、いつか出演したいと思っていました。さらに、私の事務所の先輩である本田美奈子.さんが演じていた役ということで、お話をいただいた時は本当に嬉しかったです。

初演の映像も拝見したのですが、18年前の作品でありながらも今に通ずるお話だと思いました。あまりにも今の世界が抱えている問題と作品のテーマが重なっていて、恐ろしさすらも感じて。岸谷さんからは「18年前に、胸騒ぎがする気持ちや第三者目線で世界に対して気をつけろよというメッセージを込めてこの作品を作った」とうかがったのですが、このタイミングで再演するということは、なにかに引き寄せられているのではないかと思うくらいで鳥肌が立ちました。

――田村さんは本田美奈子. さんが演じられたクラウディア役を演じられますが、役柄への印象や役作りで意識していることはありますでしょうか。

初演の映像を見て、クラウディアはとても真っ直ぐで愛のある、周りの人も巻き込んでしまう行動力と人間としてのパワーがある女性だという印象を受けました。本田美奈子. さん演じるクラウディアは火の玉のようなパワーがありますが、私も自分の体を使って、愛する力と自分の生み出すエネルギーを相手役の方やお客様に最大限ぶつけていきたいと思っています。

まだご一緒したことのないお二人との共演なので一からの組み立てになりますが、細亜羅との愛がこの作品のキーになると思うので、一緒に丁寧に作っていけたらいいなと思っています。

お祭りみたいになりそう

――共演するキャストの方の印象や楽しみにしていることがありましたら、教えてください。

いろいろな分野で活躍されている方がギュギュッと集まった印象があります。平間壮一さんとは以前ご一緒したことがありますが、地球ゴージャスの作品にたくさん出演されている方だったり、私みたいに初参加の方だったり。いろんな方がいますし、音楽もサザンオールスターズの楽曲なので、お祭りみたいになるのかなと。

作品自体は重たい人間の真をつくテーマではありますが、音楽やキャストのみなさんの盛り上がりはとても楽しいものになると勝手に思っています。初演とどれくらい変わるのかは分かりませんが、個人的にはとても楽しみです。

岸谷さんに見透かされているような感じ

――今作で演出を務める岸谷五朗さんの印象はいかがでしょうか。

岸谷さんはお芝居だけでなく、バラエティ番組に出演してお話しされているのも見たことがあるのですが、ユーモアのある楽しい方だなという印象です。今回は、舞台の上でご一緒できないのは残念ですが、ユーモアの奥で私のことをよく見てくださっているなと感じます。私だけではなく、出演者一人一人のことをよく見ていらっしゃる方なんだろうなと。作品作りや役に対しての解釈をたくさんお話しして、たくさん教えていただいて、しっかりと挑みたいと思います。

岸谷さんに「普段役作りで相当苦しむでしょ？」と言われて、ちょっと見透かされているように感じました。本当にその通りなんです。役作りで体調を崩してしまうこともあるくらい悩んで苦しむことが多いので。一緒に仕事をしたことがないのに、今までの作品を見ただけでそう思われたみたいなので、改めて岸谷さんの演出に委ねたいなと思いました。