大原櫻子インタビュー 『ザ・ウェルキン』「今を生きる私でも共感できる題材だと思った」(前編)
――「サリーは本能で生きる子」ということですが、今の段階で大原さんがサリーをどんな人物だと思っているか、もう少し詳しく伺いたいです。
殺人犯と聞くと、一見怖い人なのかなという感じになりますけど。彼女は21歳という若い年齢でもありますし……後先考えずに動く本能的な部分と、非常に子どもっぽい部分もある。ただその一方で生きることや死に対しては、多くの人生経験を積んだ人のような考え方を持っている子だなとも思うんです。その二面性を、お芝居の面でもはっきりと出していけたらというのは思いますね。
――そんなサリーを表現する上では、どのような役作りをしていこうと考えていますか?
例えば、妊娠中の衝動的な行動とか女性ならではの身体の悩みやホルモンの乱れが影響しているのかな、といくつかの台詞からも思いました。自分の中で、自分じゃない何かが暴走している感じ。自分でも止めたいけど止められないし、イライラするし、みたいな。その感覚をサリーの基本的な行動に反映できそうな気がしていて。私も女性として、そこは生かしていきたいなと思いますね。
――何か、参考にご覧になろうと思っているものもあったりしますか?
そうですね、いろんな資料なども見ていきながら、調べる作業も並行しつつ。でも頭でっかちにいろいろ考えすぎるのもよくないと思うので、まずはとにかく身体に台詞を入れて、そこから探っていこうと思っています。
加藤さんは「お客さんをすごく信じている演出家さん」
――演出を担当されるのは加藤拓也さんですが、加藤さんの演出にはどのような期待をされていますか?
加藤さんの演出は、一見するとマジックのように見えるところがあるんです。 お客さんの想像力を上手く使われる方だなという印象があります。お客さんをすごく信じている演出家さんで、だからこそ、役者たちが予想していた演出方法を良い意味で裏切ってきそうだなという予感もあります。空間の使い方にしてもリアルなセットを組むのか、それとも、それこそお客さんの想像力を生かした抽象的な空間の使い方をするのか。まだどうなるのかは分かりませんが、そういうところも含めてすべてが楽しみですね。
インタビュー後編はこちら
取材・文:古原孝子
Photo:野村雄治
ヘアメイク:木内真奈美(OTIE)
スタイリング:鈴木梨奈
・イヤリング(¥27,500/ヴイエー ヴァンドーム青山 有楽町マルイ店 TEL03-6738-3845)
・ブレスレット(¥24,200/ヴイエー ヴァンドーム青山 有楽町マルイ店 TEL03-6738-3845)
・リング(¥11,000/ランバン オン ブルー/ヴァンドームヤマダ TEL03-3470-4061)
・靴(¥17,600/ダイアナ銀座本店 TEL03-3573-4005)
公演概要
シス・カンパニー公演「ザ・ウェルキン」
作:ルーシー・カークウッド
翻訳:徐賀世子
演出:加藤拓也
出演:
吉田羊 大原櫻子
長谷川稀世 梅沢昌代 那須佐代子 峯村リエ 明星真由美 那須凜
西尾まり 豊田エリー 土井ケイト 富山えり子 恒松祐里 土屋佑壱 田村健太郎 神津優花
声の出演:段田安則
【東京公演】
2022年7月7日(木)~ 7月31日(日)
Bunkamuraシアターコクーン
【大阪公演】
2022年8月3日(水)~ 8月7日(日)
森ノ宮ピロティホール
企画・製作:シス・カンパニー
公式サイト:https://www.siscompany.com/welkin/