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濱田めぐみ×柚希礼音インタビュー ミュージカル『COLOR』「この作品が舞台になるのはすごく革新的なこと」(後編)

INTERVIEW

――稽古や本番など、気持ちが張り詰めたりすることもあると思うんですが、自分を緩めるためのルーティーンであったり、リラックスするための習慣などはありますか?

柚希:私は本当にとても緊張するんですけど。稽古が足りていないと、本番に堪らない思いになるので。ね?

濱田:(無言でうんうんと頷く)

柚希:あんな思いは絶対にしたくないというような経験があるからこそなんです。「これ、自分に似た役だからできるわ」みたいな感じで稽古場を乗り切った場合、本番が居ても立ってもいられないことになるんですよ。だから、どれだけ「いけそう」と思っても、やっぱり「ああかな、こうかな」をさんざんやらないと、恐ろしい思いをするという経験があるので。舞台でなんとか落ち着いていられるには、それだけの稽古をしたという積み重ねがあれば、まだどうにか! それでも(本番の)朝はピリピリしちゃいますけどね。だから、さんざん「ああかな、こうかな……もう考えるところはない!」くらいに試行錯誤をして。それでもまだ試行の余地はたくさんあるんですけどね。……っていうのをきちんとやってから、舞台に立とうと思っています。

――ではむしろ、緩めることなくやり続けることが、気持ちを整えることに繋がるのでしょうか。

柚希:本番までに、いかにいろいろなことを考え、いろいろな道を通ったかということも大事かもしれないです。本番を100でするには、1億くらい稽古して、100しか出ないだろうな、みたいな感じだと思うので。メグさんはどうやって落ち着くんですか? 集中していく感じですか?

濱田:私は……うーん。落ち着か、ない!

柚希:ね。落ち着かないですよね。

濱田:落ち着かないからと、落ち着けようとする発想がもう役じゃないから。メリー・ポピンズをやってた時には「メリーだから、何やったってしょうがないじゃん」みたいな(笑)。

――何やったってしょうがない(笑)。

濱田:そうやって、もう諦めます。もちろん、チエちゃんが今言ったみたいに、お稽古で自分ができる限りをやったその上で、ですけどね。衣裳などを全部着付けて、もう舞台に出るという段になったら「何が起こったってしょうがない、別に死ぬわけじゃないんだから」と思って。 そして「今日できるのはこれがもうMAXです!ええい!」って出てました。

柚希:あぁ、やっぱり。なんかうまいこと見せようとすると余計に、緊張したりもするから。

濱田:そうそう。

柚希:本当に「今はこれが自分の精一杯って思うこと」って、よく先輩方に言われてました。

濱田:しかもさ。それってもう、自分がやれるギリギリまでいったところでの全部だからね。舞台に出る前って、本当にみんなギリギリなんですよね。緊張がパンパンで。

柚希:うんうん。オープニングがいちばん緊張しますよね。

濱田:そうね。そこを乗り切ったら、あとは集中したらラストまでいけるけど。最初に出てちょっとするまで、加速するまでの5分くらいが、いちばんエネルギーを使いますね。

――やはりそこは、どれだけキャリアを積んでも……という感じなんですね。

濱田:多分、積めば積むほどですね。

柚希:本当にそうです。

濱田:ですよね。若気の至りじゃもうやってられないですもんね。

柚希:勢いで「わー、楽しかったー!」じゃ無理ですもん。

濱田:うんうん。

――では最後に、上演を楽しみにされている方へのメッセージをお願いします。

柚希:みんなでいろいろと頑張って稽古をして、新国立劇場の小劇場という濃密な空間で、中身の濃い作品をお届けできたらと思います。オリジナルのミュージカルを日本で作る。音楽も演出も台本も全部日本で作るというのはなかなかできないことなので、貴重な経験を楽しんでやっていきたいと思います。ぜひ観にいらしてください!

濱田:全然個性の違う4人が舞台上でどんないい化学反応を起こすのか。観終わった時にお客様から「よし、頑張ろう!」と思ってもらえるような作品に仕上げますので、ぜひぜひ我々の頑張りと、その奇跡をいっしょに体感していただきたいなと思います。小劇場なので客席との距離も近いですし、それだけの臨場感もあるので、いっしょにこの作品を楽しみましょう。

濱田&柚希:お待ちしてます!

取材・文:古原孝子
Photo:野村雄治

インタビュー前編はこちら

公演概要

ミュージカル『COLOR』

2022/9/5(月)~9/25(日)
新国立劇場 小劇場

キャスト (五十音順):
浦井健治  ぼく/大切な人たち
成河     ぼく/大切な人たち
濱田めぐみ 母
柚希礼音  母

スタッフ:
原作:坪倉優介「記憶喪失になったぼくが見た世界」
音楽・歌詞:植村花菜
脚本・歌詞:高橋知伽江
演出:小山ゆうな
編曲・音楽監督:木原健太郎
振付:川崎悦子
美術:乘峯雅寛
照明:勝柴次朗
音響:山本浩一
映像:上田大樹
衣裳:半田悦子
ヘアメイク:林みゆき
ボーカルスーパーバイザー:ちあきしん
演出助手:守屋由貴/野田麻衣
舞台監督:加藤高

公式サイト:https://horipro-stage.jp/stage/color2022/

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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