高杉真宙インタビュー 『てにあまる』「自分の持っているポテンシャルを出し切らないと意味がない」
――今回は4人の会話劇がメインとなります。これまで出演されてきた作品とは違ったスタイルになると思いますが、楽しみにしている部分や現場で吸収したいことなどはありますか?
できることなら、すべてを学んでいきたいです。「自分にできないこと」しかない現場だろうし、間違いなく今の自分の枠よりも大きいものを求められると思います。稽古が始まったら、そういうものと必死に向かい合って吸収したいですね。
――これまでの舞台とは熱量の違いも出てくるのでしょうか。
実際にどうなるかはわかりませんが、4人だからこそ一人ひとりを使う空間が増えるんじゃないかなと勝手に想像しています。自分が「これくらいはいないといけない」っていうのが出てくるのかなと。
もちろん稽古が始まってみないとわからないですけど、その感覚って絶対に重要なんですよ。僕の印象だと、舞台って感覚で変わることが多いので。それができるようになるかどうかってこととは別に、イメージを持ってトライしようと考えています。
あと会話劇だからこそ、いつも以上にその場に立っていられるだけの熱量が求められると思います。持っているものを一つずつ出さないと、伝わるものも伝わらない。まだ何時間の公演になるかわからないですけど、それだけの体力を準備して挑みたいなとは思いますね。
――公演の初日と千秋楽では、観客の反応や演者側の気持ちの変化も出てくるかと思います。そのあたりはどういう気構えで挑まれているのでしょうか?
どの舞台も緊張するんですけど、それほど僕はお客さんの反応って気にならないんですよ。厳密に言うと、「気にならないようにしたい」と考えています。
お芝居自体は毎日変わっていくでしょうけど、できれば稽古場でやったことが最大値でありたい。役に対する考え方と組み立て方はあんまり変えたくないんです。変わっていく面白さがある一方で、核となる部分は差異がないようにしたいというか。
“役を深める”ってそういうことだと思うし、ちょうどいい落としどころを見つけながら演じたいですね。