田村心が挑む新たな役への向き合い方「新しい一面を見せられたら」【シアダン vol.16】(前編)
INTERVIEW
――役者の仕事をしていく中で、悔しかったことや苦労したエピソードはありますか?
もう常にそんなことばかりですよ(笑)。基本はうまくいかないことばかりだし。僕からしたら日常茶飯事ですけど、昔、演技学校に通っていたときに、先生が「この仕事が苦しくない訳がない」と仰っていて。やっぱり人の感情とか思いを描いて、それを観て楽しんでもらうお仕事だから、苦しくない訳がないんですよね。
一見、華やかで煌びやかな世界に見えるので、普通に働くよりもラクという風に思われちゃうのかもしれないんですけど、全くそんなことはなくて。こんなにも人から怒られたり注意されたりすることってあるんだと思うくらい、稽古も本当に大変だし。本番まではいろいろ大変だなって思いますね。でも、やっぱり本番が楽しいので、この仕事を続けていられるのかなと思います。
――本番を迎えるまでは、大変なことも多そうですよね。では、これまでを振り返って、ターニングポイントとなった出来事や役者として成長できたと思ったのはどんな時ですか?
ターニングポイントは、わりとどの作品もそうなんですけど。しいて挙げるなら、初舞台や裏方の経験、ミュージカル『刀剣乱舞』への出演。主演の経験ですね。自分では成長できているのかあまりわからないですけど、例えば、前の現場で怒られたことを次の現場までに改善して、それを褒められたりすると、少しずつですけど成長できているのかなと思います。でも、演出家さんによって演出のつけ方もまったく違うので、今後も現場に合わせていろいろと対応できたらなと思います。