田村心が挑む新たな役への向き合い方「新しい一面を見せられたら」【シアダン vol.16】(前編)
――お芝居をしていて嬉しさを感じるのはどんな瞬間でしょうか?
やっぱり本番の緊張感みたいなものは、「生きてる」って感じがします。こういう芸能のお仕事って、人の人生を一瞬で変えうるチャンスがあると思うんです。僕もそうだったし、役者の方から刺激や影響を受けて、夢に向かってチャレンジすることができたので。そういう内容のお手紙をいただいたときにも、役者をやっていてよかったなと思いますね。
――確かに、役者は人に影響力を与えられるお仕事ですよね。現在、ドラマ「ナイルパーチの女子会」へ橋本弘毅役で出演中ですが、映像のお芝居の難しさや楽しさについても聞かせていただけますか。
映像はすごく瞬発力が求められるなと思いました。舞台だったら、動きがまず付いて、そこから何度も稽古をして本番みたいな感じですけど。映像ってその場で指示があって、「このタイミングで入ってきてください」とか「このタイミングでセリフを言ってください」みたいにその場で全部指示が出て、それを全部飲み込んでお芝居をしないといけないので。瞬発力というか、対応力がすごく求められるなと思いました。
あとは、何度も同じ芝居をするので、舞台もそうではあるんですけど、一度やったお芝居を同じようにしないと繋がらなくなっちゃうから、そこも結構大変だなと思います。「あれ? 右手で触ったっけ? 左手で触ったっけ?」みたいな(笑)。そういうことも考えないといけないので大変でしたけど、すごく新鮮で楽しかったです。やっぱり最初は映像に憧れていて、ドラマや映画のメイキングもよく観ていたので、「俺、本当に映像の世界に来たんだ」って思いましたね(笑)。
――映像のお芝居は、テイクを重ねるごとに、だんだんと慣れていくものなのでしょうか?
だいぶ慣れましたね。初日が本当にヤバくて(笑)。緊張しすぎて全く上手くいかなくて、へこんで帰るぐらいダメだったので。次の日から少しずつ慣れてきたって感じです。
――舞台の経験とは、やはり全く違うものなんですね。
全然違いましたね。最近、舞台ではあまり緊張しなくなってきたんですよ。でも、映像だと本当に緊張したので、やっぱり経験が必要だなと思いました。
――映像作品への出演を重ねていけば、初日から緊張しなくなるかもしれませんね。
はい、強くなりたいです(笑)。