佐藤流司インタビュー 『紫苑のもみじ』 「“十人十色”の受け取り方が生まれるところも朗読劇の魅力」(前編)
2026年7月17日(金)より日本青年館ホールにて、READING WORLD×VISIONARY READING 朗読劇『紫苑のもみじ』が上演されます。
本作は、世界文化遺産下鴨神社での『鴨の音』や、ユネスコ世界記憶遺産 舞鶴への生還『約束の果て』『約束の鎮魂歌(レクイエム)』など、歴史ある場で唯一無二の世界観を展開してきた朗読劇プロジェクトREADING WORLDが、「映像で、朗読劇が、物語が、動き出す。」をコンセプトとしたAOI Pro.による新たな朗読劇体験VISIONARY READINGとコラボした作品。
本作では、声優による繊細な朗読表現に、映像演出と生演奏による音楽を掛け合わせることで、物語の情景や登場人物の心情を立体的に描き出し、観客を深い没入体験へと導きます。
脚本は『鴨の音 第五夜―浅黄の桜―』(2024年)を手がけた灯敦生さん、演出は岡本昌也(AOI MANAGEMENT)さんが担当。『鴨の音第五夜―浅黄の桜―』の世界線と繋がっている、新たな物語です。
物語の主人公・雨宮もみじ役には『花ざかりの君たちへ』芦屋瑞稀役など、人気作品にも多数出演する山根綺さん。もみじの幼馴染・原周太役にミュージカル『刀剣乱舞』など話題作で主演を務める佐藤流司さん、実父・真島文吾役に『名探偵コナン』工藤新一/怪盗キッド役など、日本を代表する人気キャラクターを多数担当する山口勝平さん、継父・雨宮洋一郎役に『ONE PIECE』ロロノア・ゾロ役などを担当する中井和哉さん、母・雨宮えり役にアニメ『美少女戦士セーラームーン』月野うさぎ/セーラームーン役などを務め、国内外で高い人気を誇る三石琴乃さん。
さらに、もみじの同僚である笹野亜子役に『ONE PIECE』キャロット役やアーティストとしても活動している伊藤かな恵さん、周太の弟・原春道役にアニメ『神様になった日』鈴木央人役など、テノールの声質を活かし、幅広い役柄で活躍する重松千晴さん、もみじの恋人・近藤貴男役に『結婚するって、本当ですか?』大原拓也役など、人気作品で主演を務める熊谷健太郎さんと、実力派声優・俳優陣が集結しました。
THEATER GIRLは、佐藤流司さんにインタビュー。前編では、出演が決まったときのお気持ちや朗読劇ならではの魅力、“VISIONARY READING”という新たな演出への期待、演じる原周太の印象や役との向き合い方、さらに声だけで感情を届ける際に意識していることについてもお聞きしました。
声優の方々とご一緒する機会はそれほど多くなかった
――本作へ出演が決まった際の率直なお気持ちを聞かせてください。
お話をいただいたときは、これまでに経験したことのない挑戦ができると感じて、ぜひやらせていただきたいと思いました。役者として15年ほど活動してきましたが、声優の方々とご一緒する機会はそれほど多くはありませんでした。そういった意味でも、多くのことを学べる、一石二鳥の現場になるのではないかと思っています。
――今回の現場で学びたいことや、今後に生かしたいと考えていることはありますか?
やはり声の表現ですね。普段の舞台では身体も使って表現をすることが多いですが、朗読劇では動きが制限される分、声だけで感情や状況を伝える力が求められます。以前から、そういった部分をもっと磨いていきたいと思っていたので、今回の経験を通して成長できたらと考えています。
ただ、朗読劇は稽古日数も限られているので、意識してコミュニケーションを取らないと、打ち解ける前に本番を迎えてしまうことも多いので。共演者の皆さんとしっかり交流して、良い関係性を築けたらと思っています。

生演奏が加わる朗読劇に出演するのは初めて
――本作は映像演出や生演奏を取り入れた新たな朗読劇体験 “VISIONARY READING”として上演されるとのことですが、その点についてはいかがでしょうか?
とても面白い試みだと思います。映像が入ることで、作品への没入感はより高まるはずですし、生演奏が加わる朗読劇に出演するのは初めてなので、どのように作用するのか楽しみです。
一方で、生演奏に合わせるというのは時間もかかる作業だと思うので。それを稽古期間の短い朗読劇の中で、どのように完成度の高い形に仕上げていくのか、興味深いです。
――朗読劇ならではの魅力については、どのように感じていらっしゃいますか?
普段よりも抑揚をつけやすいことに魅力を感じますね。身体を動かさない分、声に集中できますし、台本が手元にある安心感もあります。
また、朗読劇はお客さまの想像力に委ねられる部分が大きいのも特徴です。登場人物の動きや状況を、観る方それぞれが自由に思い描くことができる。その自由度の高さが面白さにつながっていると感じます。
――確かに、朗読劇ですと想像力の幅が広がりますよね。
お客さま一人ひとりの中に広がる世界は、それぞれ違ったものになると思いますし、その“十人十色”の受け取り方が生まれるところも、朗読劇の魅力の一つだと思います。

共感できる部分はあまりないです(笑)
――本作では主人公・雨宮もみじ役の幼馴染・原周太を演じられますが、現時点での役の印象や、共感できる部分についてお聞かせください。
正直に言うと、共感できる部分はあまりないですね(笑)。周太は心優しい人物ですが、どこかまだ未成熟で、思春期とまではいかないものの、成長の途中にいる人間だと感じています。
ただ、それは主人公のもみじも同じで、登場人物たちの揺れ動く感情がこの作品のテーマの一つだと感じていて。変に達観していない、等身大の人間像が描かれている印象があります。
――ご自身を重ねるというよりは、役として捉えて演じる感覚が強いのでしょうか?
そうですね。実は自分と重なると感じることはほとんどなくて。そういうキャラクターを演じられることはありがたいです。それが役者の本懐であり、本質だとも思っています。むしろ自分から遠い存在のほうが、演じるうえでは面白いと感じるので。
近ければ近いほど、役者としての技量が求められなくなってしまう気がするんです。だからこそ距離がある役のほうが、やりがいを感じますね。

――今回、周太はもみじを見守る立場ですが、佐藤さんご自身は支える側と支えられる側、どちらになることが多いですか?
どちらかというと支える側が多いですね。兄貴肌だと言われることもありますし、人に対してそういう立ち位置になることが多いと思います。
――年齢や経験を重ねる中での変化もあったのでしょうか?
そうですね。自分一人で突っ走ることをやめた、という感覚に近いかもしれません。

一人のオーディエンスとしても楽しみたい
――本作は声優業を中心に活躍されている方々が多く出演されますが、特に気になる方はいらっしゃいますか?
『ONE PIECE』が自分にとっての青春なので、その作品に出演されている方々がいらっしゃるのは本当に大きいですね。子ども心に興奮します。
先日も中井(和哉)さんと下野(紘)さんとラジオ収録をご一緒させていただいたのですが、「聞いたことのある声だ!」と強く感じて。そういう意味でも、今回は出演者でありながら、一人のオーディエンスとしても楽しみたいと思っています。
――声だけで感情を届ける際に、意識していることや大切にされていることはありますか?
技術的な部分でいうと、「三割増しで表現する」ということを昔から教わってきて。身体を使って芝居をする時よりも、三割ほどオーバーに表現することを意識しています。
また、言い回しや抑揚が単調にならないようにすることも大切だと感じています。身体が動いていると多少単調になっても成立することがありますが、朗読劇は動きが少ない分、声の表現がすべてになるので。単調だとお客さまが飽きてしまう可能性があるので、その点は特に気をつけたいと思っています。

取材・文:THEATER GIRL編集部
撮影:遥南 碧
公演概要
READING WORLD×VISIONARY READING
朗読劇『紫苑のもみじ』
期間:
2026年7月17日(金)〜7月19日(日) 計5公演
脚本:
灯敦生
演出:
岡本昌也(AOI MANAGEMENT)
あらすじ:
つつましく「応援席」から誰かを支える日々を送ってきた雨宮もみじだったが、結婚目前で彼氏の浮気が発覚してしまう。逃げるように実
家へ帰省した彼女を待っていたのは、家族の温かい迎えと、亡き父・文吾の魂だった。しかし不思議なことに、周囲には届くその父の声
が、なぜかもみじにだけは聞こえなくて……。家族や幼馴染の周太を巻き込んだ大騒動が幕を開ける。明治神宮外苑の美しい景色
を舞台に、迷える大人たちが自分の⾜で一歩を踏み出す姿を描く、笑って泣ける家族と恋のエンターテインメント。
出演:
山根綺 佐藤流司
山口勝平 中井和哉 三石琴乃
伊藤かな恵 重松千晴 熊谷健太郎
会場:
日本青年館ホール
東京都新宿区霞ヶ丘町4-1
東京銀座線「外苑前駅」2b出口(徒歩5分)
上演スケジュール:
7月17日(金)19:00
7月18日(土) 13:00 / 17:00
7月19日(日) 12:00 / 16:00
チケット:
[料金(税込)]
S席:11,000円(税込)
A席:9,000円(税込)
※未就学児のご入場はお断りいたします。
[取扱]
イープラス
https://eplus.jp/shionnomomiji/
チケットぴあ https://w.pia.jp/t/shionnomomiji/ (Pコード:541-636)
ローソンチケット https://l-tike.com/shionnomomiji/ (Lコード:31329)
公演公式 HP https://thxgive.com/readingworld/shionnomomiji
公演公式 X https://x.com/readingworld_jp
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