輝馬が持つ役者としてのまなざし「日常すべてが役作りのヒント」【シアダン vol.04】（後編）

2019.08.30

INTERVIEW

Q. 小さい頃はどんな子どもでしたか？

うーん……普通の子でしたかね。ゲームが禁止の家だったので、山や川で遊んだり、弟といっしょに秘密基地を作ったりしてました。あとは、子どもながらに少し背伸びをしていた気もします。母の友人の家について行った時に、出してもらったお菓子を遠慮して食べられなかったりとか。「大人は出されたものをそんなにガツガツ食べない」という勝手な思い込みがあったので、大人ぶってたんでしょうね、まだ幼稚園なのに（笑）。今のほうが遠慮なくいただきます。それから、脚を組むのが大人だと思っていたので、よく脚を組んでいたような記憶もありますね。

Q. 先ほど弟さんの話が出ましたが、弟さんとの印象深いエピソードはありますか？

年子なので年齢がひとつ差で、弟といってもほぼライバルみたいなものだったんですよ。3つとか5つ、これは知り合いにいるんですけど10歳とか離れた兄弟だったりしたら、かわいがったと思うんですけど。兄という特権をフルに使って、ケンカした時なんかには「お兄ちゃんだから」ってよく言ってました。親も「お兄ちゃんだから我慢しなさい」というよりは「負けたやつが悪い」という方針だったので、勝てば官軍というやつです。でも、時々弟の謀反が起きるっていう（笑）。顔があまり似てないですね。僕は母似なんですけど、面影があるかな、くらいで。

Q. 「夏の終わり」というワードで思い出すことは？

ZONEの「secret base 〜君がくれたもの〜」ですね。小学4年生の頃に聴きました、忘れもしないです。夏の終わり、そうだなぁ……逆エピソードになるんですけど、大人になって仕事を始めてから、夏がなくなったなって思います。夏ってありがたいことに舞台が山のように行われる時期なので、稽古に1ヶ月、本番が2〜3週間としてほぼ2ヶ月。だから毎年、気付いてみたら夏が終わっていて、今年もそんな流れになりそうです。本当にありがたいことに「夏がねぇな」って毎年飲みながら話してますね。

実際にあったことの話だと、数年前に稽古が夕方早めに終わったことがあって、米原幸佑さんと鳥越裕貴と3人で屋上ビアガーデンに行ったという楽しい思い出があります。思ってみればあれが僕の初ビアガーデンでしたね。夏らしいことしたなって思います。あ、ちなみに子どもの頃は、宿題は残しておくタイプでした！（笑）

輝馬さんから読者の皆さんへメッセージ

今回取材をしていただいて、面白いイスやアイテムと、いろいろ写真を撮っていただいたんですけど、30代になった役者・輝馬を見ていただきたいなと思います。今までは30代になることしか念頭になくて、そこに向けてどうするかを20代の初めから考えていたんですが。これからは40代に向けていろいろなことを考え、試行錯誤しながらやっていきたいと思うので、時にはつまずいて失敗することもあるかもしれないですけど、それは「ひとつ挑戦をしたんだな」と温かい目で見守っていただけたら嬉しいです。これからも頑張るので、楽しみにしていてください。よろしくお願いします。

インタビュー前編はコチラ

プロフィール

輝馬（てるま）
1989年6月6日生まれ、島根県出身。ミュージカル『テニスの王子様』６代目青学　乾貞治役で俳優デビュー。以降主な舞台出演作品に、超歌劇『幕末Rock』土方歳三役、ミュージカル『薄桜鬼黎明録』山南敬助役、『SHOW BY ROCK!! MUSICAL』アイオーン役、舞台『刀剣乱舞～虚伝　燃ゆる本能寺』江雪左文字役、ミュージカル「黒執事」〜NOAH’S ARK CIRCUS〜ウィリアム・Ｔ・スピアーズ役、『七つの大罪 The STAGE』ヘンドリクセン役、舞台『文豪ストレイドッグス三社鼎立』　国木田独歩役など。

出演情報

舞台『メサイア―黎明乃刻―』ガラ役
東京：2019年9月5日（木）～8日（日）東京ドームシティシアターGロッソ
大阪：2019年9月14日（土）～16日（月・祝）大阪メルパルクホール

ライブ・スペクタクル『NARUTO-ナルト-』～暁の調べ～ペイン役
大阪：2019年10月25日（金）～11月4日（月・休）大阪メルパルクホール
東京：2019年11月8日（金）～11月10日（日）TOKYO DOME CITY HALL
東京：2019年11月15日（金）～12月1日（日）天王洲銀河劇場

取材・文：古原孝子
Photo：青木早霞（PROGRESS-M）
ヘアメイク：YUZUKI合同会社