小林親弘インタビュー 舞台『擾乱 THE PRINCESS OF SNOW AND BLOOD ~陽いづる雪月花編~』 「組織のボスとしてミステリアスさを大事にしたい」(後編)
INTERVIEW
――お稽古するにあたって、「ここ苦労しそうだな」と感じていらっしゃることはありますか?
舞台ではどうしても再現するのが難しい場面がありますよね? たとえば魔法を使うとか、剣の動きが早すぎて見えないとか、そういうのは人間だとどうしても表現できないですが、アニメだとできてしまう。舞台だとそれを生身の人間がやっても違和感がないように仕上げていかなければいけないので、感覚がやはりアニメとは異なりますよね。質感といいますか、そこにいる人物が実際に生きているようなリアリティがアニメより出ると思います。
Raychellさんは「舞台上でムチどうしよう」とおっしゃっていて、確かにムチで銃の弾をどうやって止めるのかなと(笑)。そういうところは、アニメだと掛け声一つでできてしまいますが、舞台でそれを血の通った表現にするのは、苦労が増えるかもしれないですね。
アニメは反響が大きいところが、とても新鮮だった
――小林さんが、声優のお仕事をしていて喜びを感じる瞬間はどんなときですか?
自分は元々会話劇ばかりやってきた人間なので、アニメに初めて関わったとき、単純に一度の放送で見てくださる方の数が多いのが一番びっくりしました。舞台だと一回やっても、最大で3000人か4000人くらい。何十回もやって、やっと一万人ですよね。アニメは、海外の方を含めると何十万人、何百万人の方々が作品を見てくださっているのがとても新鮮でした。いろんな方がいろんな感想を持ってくれるので、それは舞台では経験できないことですし、感動しました。
――反響の数にびっくりされたということですね。
本当にびっくりしました。あと小学校の同級生から急に連絡が来たりして(笑)。反響の数の大きさは舞台とは全然違う感じがありましたね。