中村誠治郎×神里優希×佐伯亮インタビュー 舞台『うたかたのオペラ』「挑戦をやめたらこのお仕事をやっている意味がない」(後編)
――役者さんが共通して儚さを感じる瞬間なんですね。少し関連した質問になりますが、皆さんは舞台に立つ際に、心掛けていること、ルーティンにしていることなどはありますか?
神里:ルーティンはその公演ごとに変わりますね。本番前にたくさん台詞の練習をするときがあったり、アップして体を起こしてから本番に臨むときがあったり、逆に何もしないほうが入り込めるときがあったり。その時々によってルーティンは違うんですけど、共通しているのは本番1時間前くらいから、あまり食べないようにして、こまめに水を飲んで、体をストレッチして……というのは必ずやることかなと思います。
佐伯:僕は極度の不安症でして。本当に緊張するんですよ。だから絶対、本番前に自分の台詞をバーッと一通り言うのはどの公演でもやっています。
――心を落ち着かせるような感じでしょうか?
佐伯:一度整理している感じです。朝起きて、滑舌練習を含め、バーッと全部台詞を返して。よし、これで行ける! といった感じで。本番前のアップのときに必ずやっています。舞台に出始めた当初からそれはずっと変わらないですね。
――誰かに教わったとかではなく、自分なりの方法なのですか?
佐伯:でも、結構皆さんやっていらっしゃいますよね?
中村:やってるんじゃないかな? 口に出す人もいれば、出さない人もいるし。
佐伯:それをしないと不安になっちゃいますね。殺陣のある舞台は自分の中で一回返したり、ダンスの舞台は一回踊ったり。毎公演やって気持ちを高めている感じですかね?
――中村さんは、いかがでしょうか?
中村:心掛けていることは昔から同じなのですが、稽古場では絶対に台本を持たない。相手の顔を見ないと分からないですし、なんとなく嫌なんですよ。お芝居する人が台本を見ながら芝居しても、「それ家でやれるのに」と思っちゃう。どれだけ疲れていても、稽古場では本を持たない先輩方の背中を見てきたので。僕もそうありたいなと思いますし、今までも持ったことがないです。それは絶対に心掛けていますね。