高本学×設楽銀河×内田裕也インタビュー 舞台『COLOR CROW ―蒼霧之翼―』「みんなが誠実に役と向き合えば確実に面白いいものになる」(後編)
――では、今作が“男達の「戦い」と「生きる意味」「絆」”がテーマということにちなみまして、自分自身が生きる意味を感じる瞬間や、生きてるなぁという実感を得られるのはどんな時でしょうか?
高本:深いな!(笑)
――ライトなものでも大丈夫です(笑)。お風呂の時間に生き返ったような気持ちになる、であったりとか。
設楽:あぁ、なるほどー!
高本: 僕はお芝居をすることがやっぱり好きなので、お芝居することで常に生きてるなぁと感じます。稽古場で芝居を作っていてしんどい時や苦しい時もあるんですが、そういう時も生きてるなぁって感じて幸せな気持ちになれるし。本番の板の上で、稽古で積み上げてきたものを自由に演じることも楽しくて、生きてる実感がわくので。僕にとっては芝居をするのが生きてる実感に繋がってるんでしょうね。なんかこう……「うわ、マジで幸せ」って思う瞬間が、お芝居してるとめちゃくちゃあるんです。
――「マジで幸せ」って感じられる瞬間があるって素敵ですね。
高本:プライベートでは、僕は寝ることが好きなので「いっぱい寝れたなぁ、幸せだな」っていうのも生きてるなって思います。小さな幸せがたくさんあるような感じというか。その中でも、お芝居をして、こうして素晴らしい役をいただくことが何より嬉しいし、生きてるなと実感できることですね。
内田:役の中で寝てるシーンがあったら最高だね。
高本:や、それは……(笑)。
内田:演技と睡眠と、同時に。それはまた違うかな(笑)。
設楽:危ないですよ、本当に寝ちゃうかもしれない。
高本:あはは、本当に寝るかも(笑)。
――では設楽さんはどうでしょう?
設楽:僕が生きてるなって思う瞬間は、お風呂を出て立ちくらみがした瞬間とかですかね。
一同:(笑)
設楽:そういう時に「あ、生きてるんだ」みたいな。なんか、普通に生きてると、生きてる感覚ってないじゃないですか。
内田:あぁ。死にそうになった感じが生きてる、みたいな?
設楽:何だろうな……やっぱり人間なんだなって思う。脆いじゃないですか、人間って。すぐ傷付くし、喜ぶし。そういう感情自体も面白いなと僕は思っていて。「なんでこの人は怒ってるんだろう?」「なんでこの人は……」って考えることが好きなので、妄想したり、そういうことを考えている時が一番楽しいかもしれないですね。お芝居してる時も楽しいんですけど、それにもやっぱり想像とかが関係してきますし。そうですね、考えてる時が楽しいです。
――客観的に人間を観察するのが楽しいということでしょうか。
設楽:面白いですね!「なんでこの人、こんなに怒ってるんだ?」って考えた時に、人間それぞれ怒りの沸点も違うし、感じることも違うじゃないですか。そういうことも勉学というか、ひとつのジャンルとして僕は見てたりします。面白いなって。
――内田さんはいかがですか?
内田:僕も、やっぱりいろいろあるんですけど。トレーニングをするのが好きなので、ジムに行ってヘトヘトになって、もう声が出ないな……ってくらいの時に感じます。「今日はこれだけ頑張った」と、もう一歩でも歩くのがしんどいくらいの時に、生きてる充実感みたいなものを感じますね。
――みなさんのお話を伺っていると、何かしら追い込まれた時に感じることが多い傾向なんでしょうか? 演技でしんどい時であったり、ちょっとした生命の危機であったり。
内田:あぁ、そうなのかもしれない。でも学は本当に役者って感じだよね。演じてる時に生きがいを感じるっていうのは。
高本:稽古でしんどかったりした後で、本番の初日を迎えた時、めちゃくちゃ生きてるって思う。
設楽:それ分かります!
高本:そこを目指して生きてるんだなって感じがするから。
内田:うんうん。
高本:僕はそこが一番生きてる実感がしますね。趣味とかもないし。
内田:舞台初日を迎えて、その日のカーテンコールでものすごい拍手をいただいた時は、本当に生きててよかったなって思いますね。スタンディングオベーションだったら、鳥肌が立つくらい。
設楽:カーテンコールだと、お客さんにライトが当たるんですよね。本番中は最前列くらいは見えるんですけど、やっぱり集中してるのでけっこうボケるんです。それがカーテンコールだとみなさんの顔が見えるので、楽しんでるなとか、そういうのが表情から感じ取れるのが幸せですよね。
内田:笑顔も見えるしね。その顔を今作でも見たいね!
高本:そうですね。頑張りましょう!