古川雄大インタビュー スペクタクルリーディング『バイオーム』「演劇において、声は重要な要素」(後編)
6月8日(水)より東京建物Brillia HALLにて、スペクタクルリーディング『バイオーム』が上演されます。本作は、梅田芸術劇場による「進化型エンターテイメント」企画の第一弾。 五感で体感していく演劇となっています。
本公演の脚本を務めるのは、宝塚歌劇団にて心に残る数々の名作を手掛けた上田久美子氏、さらに、「麒麟がくる」「精霊の守り人(第3部)」を手掛けた一色隆司氏が演出を務めます。そして、中村勘九郎さんが主演を務め、その他、花總まりさん、古川雄大さん、野添義弘さん、安藤聖さん、成河さん、麻実れいさんと豪華な顔ぶれが揃いました。
今回、THEATER GIRLは古川雄大さんにインタビューを敢行。後編では、朗読劇の魅力や仕事での一番好きな瞬間について語っていただきました。
朗読劇はお客様の想像を掻き立てるもの
――古川さんの思う、朗読劇の魅力はどんなところだと思いますか。
お芝居をすることや演劇において、声は重要な要素だと思っています。その声一つで物語が進んでいくというのは、お客様の想像を掻き立てるものがあるのかなと。声を聞いてイメージしていくなかで、お客様のなかで無限の可能性を見出だしてもらえるものが朗読劇なのかなと思います。
何度か朗読劇はやらせていただいていますが、視覚的な要素を使ったもの、ずっと椅子に座って語り進めるもの、衣裳を着て役の設定のなかで朗読するものと、全部違うタイプの作品でした。それでもやはり、音が頼りになっているので、お客様が自由に描くことができるという良さがあるのかなと思います。
――朗読劇に出演する際に、なにか意識されていることはありますでしょうか。
目の前にある台本を読んではいるのですが、実際に演技をしているという感覚があって、ちゃんとお芝居と同じテンションで演じていきたいなと思っています。
今までにない朗読劇になる
――この作品もいままで出演されてきた朗読劇とは全く違いますか?
いままで経験してきた朗読劇を、全部混ぜているような気がします。いろんな設定や衣裳も役に近いけれど、ファンタジーな要素も盛り込まれていて目でも楽しめる。台本を手に持っていたら表現できないシーンもありそうなので、今までにはない朗読劇になりそうです。
イメージで言うと、今までの作品とは対照的な感じかもしれません。二役あるうちのどっちの役を演じているのかも含めて、変化があって、視覚的に分かるものにはなるのではと思います。
会見でみなさんのお話を聞いて、みんなで作っていくのだろうなと思いました。なので、僕も参加できることを改めて嬉しく思っています。
――役者のお仕事のなかで、一番好きな瞬間はどんなときでしょうか。
公演が千穐楽を迎えて、すべてが終わった時でしょうか(笑)。なににおいても、終わるまでずっと不安があるので、全部全うして、終わって振り返る瞬間が一番好きです。旅行と同じで、その瞬間よりも家に帰ってからの方が楽しいみたいな感覚です。