木村達成×須賀健太インタビュー『血の婚礼』「常に最高を更新し続ける二人でなければいけない」（後編）

2022.08.26

INTERVIEW

――本作では花嫁役を、早見あかりさん、花婿の母親役を安蘭けいさんが演じられますが、ビジュアル撮影の時にお会いしてみて、お二人の印象はいかがでしょうか？

須賀：僕は、安蘭さんとは以前ご一緒したことがあって。ガッツリ共演した訳ではないんですけど、映画でご一緒させていただいて、その後出演されている舞台を観させていただきました。花婿の人格形成って、8割方お母さんに影響をされていると思うんです。そういう意味では、安蘭さんのお芝居を見て決まってくる部分も大いにあると思うので楽しみですね。「こういうお母さんか！」っていうのを早く見てみたいです。

早見さんとは、ビジュアル撮影のときにとった“あのポーズ”がすごく大変だったんですよ（苦笑）。一緒に一壁登った感があったので、一気に仲良くなりました。会話するよりもすごくいいコミュニケーションだったなと思います。

木村：即興で一個の作品を作ったような感覚はありますね。

須賀：役者同士だと、話すよりもお芝居してた方が分かり合える瞬間ってあるじゃないですか。

木村：おお！　かっけーな。でも本当、それです。

須賀：だから、今回はいつの間にか距離が縮まってたなと思いますね。

――確かにアート作品のようなビジュアルですよね。本作では“抑えきれない愛”が描かれていますが、お二人が我慢できずについやってしまうことはありますか？

須賀：僕、観劇中とかに顎の髭を抜くんです。

木村：観劇中に顎の髭抜いてるの！？

須賀：集中してるとつい抜いちゃうんですよ。知り合いが出ている舞台を観劇中に、どんどんこうなっていくんですよ（顎の髭を抜く仕草）。全然自分ではそんなつもりはないんですけど。そしたら後日「プロデューサーみたいだったよ」って言われて。でもこっちからしたら、そんな見方をしてる訳じゃないから、ただ顎髭抜いてるだけなのにって（笑）。

木村：下にいっぱい落としてんだろ！

須賀：シアターコクーンを髭まみれにしてやりますよ！（笑）

木村：稽古場から大変（笑）。

須賀：向かい合ったときにわかるよ、ここがまだらになってるから（笑）。

木村：俺、「ハイキュー!!」のときは、そんな印象ないよ。

須賀：「ハイキュー!!」のときはやってないからね（笑）。

木村：僕は、いっつも水を飲んでることですかね。家の中でも外でもそうですし。別に舞台をやってるからってことは関係なく、純粋に喉が乾くのが嫌いなんです。「何かしたい」って感情になりたくないから、常に満たしていたいんですよね。もちろんそういう感情になることもあるし、どうしても「お風呂に入りたい」って思ったらもちろん入りますけど。「何かをしたいからこれをする」っていうことを考えないように常に水を飲んでますね。

今年、デビューして10年なんですけど、今まで大きな病気もしたことがないし、公演中に体調を崩すこともほとんどないので、それが効いてるのかなって思います。

――では、最後に本作を楽しみにされている方に向けて、メッセージをいただけますでしょうか。

須賀：前に僕らが共演した時から知ってくれている方にとっては、本当に楽しんでいただける作品になると思います。ただ、そこがメインになるのではなく『血の婚礼』という作品を、達成も含めてキャストの皆さんやスタッフの皆さんとちゃんと具現化させていくことが大切で、そこが一番届けたい部分だと思っています。本来の戯曲の持つ力や僕たちの持つ力がしっかりと形になるように、これから稽古していきたいです。劇場でお待ちしております。

木村：今回、健太と再共演をする分、お客様に最高の瞬間を、最高な舞台を観たと思ってもらえるように頑張ることは当たり前だと思っています。さらに、5年ぶりに一緒にやる訳ですから、「ハイキュー!!」以上に感動を与えられるような作品にしていきたいと思います。常に最高を更新し続ける二人でなければいけないし、それがエンターテインメントだと思うので。この共演の意味を改めてお客様に見せつけて、また二人で最高な瞬間を作れるものに出会った時に、お互いが命をすり減らすくらいまで頑張れるような人間でありたいと思います。これからも、お互いを高め合いながらこの作品に挑んで、頑張っていきますので劇場でお待ちしております。