眞島秀和×吉高由里子インタビュー『クランク・イン!』「舞台は役者をやっている上でいちばん純度の高い仕事」(後編)
――今作では眞島さん演じる映画監督が次第に追い詰められていきますが、これまでの人生で「これは追い詰められた」というエピソードがあったら聞かせていただきたいです。
吉高:今ですよ、今。刻一刻と稽古が始まろうとしている日々に、何もできずにいる自分は追い詰められている感があります。
眞島:追い詰められたっていったらやっぱり。若くてお金もない頃に、家賃が何ヶ月も払えなかった時の、人に言えない追い詰められてる感ですかね。
吉高:けっこう追い詰められましたね。
眞島:あのなんとも言えない、背中がゾワっとする感じはもう二度と味わいたくないです。
二者二様、好きに映画を作るなら?
――これも映画作りに絡めまして。好きな題材で好きに映画を一本作っていいことになったら、どんなものを作りたいですか?
眞島:犬の話を作りたいです(即答)。
吉高:はやーい!
――犬を題材に、どういったものにしたいですか? 犬好きの眞島さんなので、もちろんハッピーなお話にはなると思いますが。
眞島:これはかなり空想なんですが。うちのわんちゃんを主役にして、無理のない程度でいい話を作りたいですね。絶対に負担はかけない感じで。
――わんちゃんへの愛がすばらしく伝わってきます。吉高さんはいかがですか?
吉高:つい一昨日『グレイマン』を観たばかりなんですけど。ああいうアクション系の作品を観てると気持ちいいじゃないですか。だから、豪快でお金をたくさん使ったいい映画に携わりたいなぁと思います(笑)。
――その中で、ご自分もアクションをされたいと?
吉高:いえ。あんなムキムキに鍛えられないですよ。ワイヤーで吊るされるのは楽しいですけどね。ちなみに出る側ですか、撮る側ですか?
――それもお任せです。
吉高:そしたら、APさんとかやりたいです。アシスタント・プロデューサー。
眞島:あはは! でも大変だよ?(笑)
吉高:ほどよく現場も見ていたいなと思ったので(笑)。
眞島:関係各所にいろいろ連絡をとったり、もしかしたらお弁当を決めるのもやらないといけないし。
吉高:お弁当は大丈夫! 私、好きなんで!
――(一同笑)。
吉高:ロケバスさんもいいかもしれない。ロケバスのドライバーさん。
眞島:それで、たまにレールを下ろしたりとか。
吉高:そう。そういうのをして、空いてる時間は寝られる。でもお酒飲めなくなっちゃうし、難しいなぁ。
――楽しいお話をありがとうございます(笑)。では最後に、楽しみにしているお客様に向けてメッセージをひとことずついただけますか?
吉高:不思議な物語になると思います。そしてそれを本多劇場という、ちょうどお客様全員の顔が見えるくらいの、こちらも不思議な気持ちになる空間でやれるということなので。一緒にその空間を楽しみましょう。
眞島:映画監督役として、この錚々たる女優陣の中でどう存在できるかっていうところで、かなり苦労すると思うので。本番を観に来てくださると嬉しいです。
取材・文:古原孝子
Photo:野村雄治
公演概要
M&Oplaysプロデュース『クランク・イン!』
作・演出:岩松了
出演:眞島秀和、吉高由里子、伊勢志摩、富山えり子、石橋穂乃香、秋山菜津子
10月7日(金)~10月30日(日)
東京・本多劇場
11月2日(水)~11月3日(木・祝)
静岡・三島市民文化会館 大ホール
11月11日(金)~11月13日(日)
大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
11月19日(土)~20日(日)
愛知・ウインクあいち 大ホール(愛知県産業労働センター)