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橋本さとしインタビュー 『キオスク』 「自分自身そこに携わる人間として“エンターテインメント”というものを信じている」

INTERVIEW

――今回、兵庫、東京、静岡、愛知、広島と様々な地域で公演がありますが、各地で公演をするにあたり、今から楽しみなことはありますか?

今まで地方公演というものは、地方へ行ったら「ご当地の美味しいものを食べる」とか、どこか解放感もあって、カンパニーの空気がより良いものになるきっかけでもあったんですよね。でも、今はそうではなくて、今まで行けなかった土地に舞台という文化を届けられる喜びがあります。さらに舞台は僕たちだけで創るものではなく、お客様と一緒に創っていくものなので、今は、僕たちもお客様も感染予防をしながら安全第一に、やっと一つの舞台が成功するという状況だと思うんです。なので、各地のお客様と一緒に舞台を創っていくという意識は、以前よりも強くなっていると思います。

こういった状況になって、劇場にお客様が入って拍手をいただいたときに、「本当に待っていてくださったんだ」と、とても感動したんです。今は声を出すことや笑うこともできないですし、お客様が僕らになにかを伝えるときに、表現できることって拍手しかないんですよ。一人ひとりの拍手にのった想いというのは、僕ら役者にも本当に届いてます。待ってくださっている方がいて、東京公演でもそうですが、各地の公演でも「ここに来て本当によかった」と心から感じられる公演になるのではと思っています。

あとは、第二次世界大戦が終わるきっかけにもなった広島でも、上演ができるんです。戦争というものの意識や背景を背負っている土地でもありますから。同じような時代に、全く違う国でも、ああいった苦悩や必死に生きてきた人たちがいたということにも、何か特別な感情を持って観ていただけるのではと思っています。だからといって「この土地だからこう」という気持ちで演じる訳ではないんですけど。やっぱり、今の平和が当たり前のことではないということを考えさせてくれる場所で上演できることは、とても意味のあることだと思います。

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THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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