中河内雅貴インタビューミュージカル『アリージャンス〜忠誠〜』「エネルギーを交換し合えるところが舞台の良さだと思う」

2021.01.21

INTERVIEW

――中河内さんが、舞台に立っていて幸せを感じる瞬間はどんなときですか？

まず、幕が上がる前に袖にいるじゃないですか。そのときのちょっとしたドキドキ感が、まず幸せですね。さらに、舞台上でお客様の空気が一点集中で、自分に向けられたときも、もう最高じゃないですか。あとは、ヒールな役をやっていて、自分のことを嫌いになってくれたときも。「本当ムカツク、最低！」とか、言われたときはめちゃくちゃ嬉しいですね（笑）。あとは、やっぱりカーテンコールで拍手をいただくときが一番幸せですけど。

――幕が上がる前から、カーテンコールまで全ての瞬間で幸せを感じられているんですね。

だから舞台が好きなんですよね。映像も好きですけど、それを直で味わえて、エネルギーを交換し合えるところが舞台の良さだと思うので。本当に、死ぬまで舞台を続けたいと思っています。

――作品タイトルに因みまして、中河内さんが「忠誠でありたい」と感じるほど、大切にしている人、あるいはものごとなどはありますか？

今は、自分の家族や、妻やご家族でしょうか。そこを大切にしなかったら周りも大切にできないので。でも、自分の奥さんを大切だと思う心が持てるようになってから、周りの人にもより優しく接することができていると思うので、「成長させてもらえたかな」と肌身で感じています。

――とても素敵なお話をありがとうございます。最後に、改めて今作に対する意気込みを聞かせていただけますか。

本当にこの素晴らしいメンバーの中で、僕の中でもすごい大役をいただいたと思っていますし役者が疲弊するぐらい困難な役作りをしなきゃいけない作品でもあると思っています。そこをきちんとやった上で、まずはカンパニー内で支え合って、素晴らしい作品を日本人オリジナルでお届けすることができるのだと思います。さらに、コロナ禍という状況もあって、僕らもお客様も何とか無事に上演できたらと強く思っていますよね。なので、感染予防にもしっかり務めて役と作品に集中して頑張りたいと思います。

取材・文：桑原梨沙（THEATER GIRL編集部）
Photo：比留川義一

公演概要

ミュージカル『アリージャンス～忠誠～』

＜東京公演＞
2021年3月12日（金）～3月28日（日）
東京国際フォーラムホールC

＜名古屋公演＞
2021年4月17日（土）・18日（日）
愛知県芸術劇場大ホール

＜大阪公演＞
2021年4月23日（金）～25日（日）
梅田芸術劇場メインホール

脚本：マーク・アサイト、ジェイ・クオ、ロレンゾ・シオン
作詞・作曲：ジェイ・クオ
演出：スタフォード・アリマ
共同演出：豊田めぐみ

出演：
濱田めぐみ／海宝直人／中河内雅貴　小南満佑子／上條恒彦　今井朋彦／渡辺徹

照井裕隆、西野誠、松原剛志、俵和也、村井成仁、大音智海、常川藍里
河合篤子、彩橋みゆ、小島亜莉沙、石井亜早実、髙橋莉瑚

公式サイト：https://horipro-stage.jp/stage/allegiance2021/

ストーリー

日系キムラ一家のカイト“おじいちゃん”（上條）、タツオ（渡辺）、ケイ（濱田）、サミー（海宝）はカリフォルニア州サリナスで暮らしていた。
真珠湾攻撃が勃発後、日本人を祖先に持つというだけで、キムラ家や日系人たちは自宅から強制的に追い出され、収容所へ移送されてしまう。
収容所での厳しい環境の中でも希望を失わず暮らしていた彼らにある日、アメリカへの忠誠を問う忠誠登録質問票(Loyalty Questionnaire)が配布された。
父タツオは不当な強制収容に抵抗し、アメリカへの忠誠を問う質問にNoを貫く。
姉のケイは収容所で出会ったフランキー・スズキ（中河内）とともに、強制収容と徴兵の不当性を訴え、日系人の人権を求める運動に参加する。
一方、弟のサミーは、他のアメリカ人と同じであること＝国家への忠誠を示すことで父をはじめとする日系人を自由にしようと、家族の反対を跳ね除けて戦場へ赴く―。