山崎育三郎、尾上松也、城田優(IMY)インタビュー 舞台『あいまい劇場 其の壱「あくと」』 「やりたいという熱意だけで、ここまで来た」(前編)
――今回は、オリジナル作品第1弾ということで、公演を企画するにあたり苦労もあったかと思いますが、ここに至るまでに大変だったのはどんなことですか?
山崎:初めてのオリジナル作品で、ある意味ゼロからの出発なので、何をやってもいいじゃないですか。なので、逆に選択肢が広すぎて、脚本ができるまでものすごく時間がかかりました。みんなそれぞれ意見もあるし、面白いと思うものも違うし。今までそれぞれがいろんなジャンルに挑戦していて、ミュージカルに限らず、映画もドラマも声優もバラエティも歌手もやるし、いろんな顔を持っている。松也に関しては歌舞伎俳優でもありますし。そんな3人だからこそ、どこに表現を絞るか、それを決めるのがとても難しかったです。
初めは一つの物語だけで構成する案もあったのですが、それぞれの魅力を全部引き出せるようにしたいということで、最終的にオムニバス形式に落ち着きました。いろいろ試行錯誤したのですが、やっぱり脚本に一番時間がかかりましたね。4つのお話を構成することによって、固定概念にとらわれず自分たちのエンターテインメントを最大限表現できればと思っています。
何よりもこの「IMY」はいつも明るくて、僕自身一緒にいてすごく楽しいんです。ネガティブなことで言い合いをしたりすることが全くないので、大変なことはもちろん山ほどあるのですが、それさえもこの3人で乗り越えていける。それがチームの強みですね。
「これなら面白くなりそう」手応えを感じた初顔合わせ
――今回脚本を手がけている福原充則さんからは何か要望はありましたか? また福原さんの印象についても教えてください。
松也:福原さんがいろいろとアイデアを提案してくれて、それがみんなに受け入れられることもあれば、「いやそれは……」ということもありました。でも舞台をつくるっていうのは、その繰り返しなので。みんながそれぞれ意見を出し合って、そこからさらに形になるよう話し合いを重ねてつくり上げていった感じです。
今回一番緊張したのは顔合わせのときですね。僕は福原さんと一緒に、お仕事をしたことがなかったので、「どういう方なのかな?」と最初は少しドキドキしました。
そのときはすごくワクワクしながらも、かなり緊張した記憶があります。でも実際にお会いしてみると、気さくで面白くてとても魅力的な方でした。打ち合わせをしながら「めちゃくちゃ面白くなりそう」と感じたのを覚えています。