加藤和樹インタビュー『裸足で散歩』「シーン毎の会話を楽しんでもらえたら」（後編）

2022.09.12

INTERVIEW

――本作はアパートの最上階にてワンシチュエーション繰り広げられますが、加藤さんが生活をしていくなかで欠かせないものはありますか？

僕は料理をするので、キッチンがやっぱり重要ですね。あとは、お風呂も広い方がいいです。お風呂も好きで、1日の疲れを癒すのにシャワーだけじゃなくて湯船に浸かりたい人なので。

――本作はエレベーターのない古いアパートの最上階に住んでいるという設定ですが、作品のように、部屋にたどりつくまで少し大変なお家に住むことになったらどうしますか？

住めと言われれば住めると思うんですけど、すぐに引っ越す可能性がありますね（笑）。僕は、たまたま2階以上に住んだことがないので、いつもエレベーターを使わずに階段で上がるんです。だから、この先何段も登るって想像するとやっぱりちょっと嫌ですね。高層マンションを見ながら「エレベーターが止まったら、みんなどうするんだろう」といつも思っています（笑）。

そう考えると、絶対に低層階に住んでいた方がいいなって。立地はあまり気にしないです。あと、キッチンのコンロは最低でも3つは欲しいですね。2つだけだとちょっと心もとないので。最近は火災の面からもIHが増えてきましたけど、火が出てないと料理している感じがしないのでガスコンロがいいです（笑）。

――引っ越しにまつわるエピソードで、何か印象に残っていることはありますか？

希望の条件として出しているわけじゃないんですけど、たまたま探している物件が2階の物件が多いんです。なんでだろうなって思うんですけど（笑）。

あとは、地元の名古屋から東京に初めて上京した時に住んでいたのが、2階建てのアパートだったんですけど、僕が住んでいた部屋の隣がアパートの大家さんだったんです。引っ越してテンションが上がっちゃって部屋で少し騒いでしまったことがあって……、そのときは大家さんにめちゃくちゃ怒られました（苦笑）。実家が一軒家だったので、そういうことはあまり気にしてこなかったんですけど、上京してアパートやマンションは周りの人のことも考えないといけないなと身をもって勉強しました（笑）。

――加藤さんは、引っ越しはお好きな方ですか？

気に入った場所に出会えたら住みたいという気持ちはあって、物件を見るのは好きですね。「こんな部屋に住みたいな」とか「次に引っ越すなら、絶対カウンターキッチンの家にしよう」とか。キッチンへのこだわりがかなりあるので、カウンターキッチンで顔を見ながら作って「はい！」って出せるのがいいです（笑）。

――最後に、本作の見どころを聞かせていただけますでしょうか。

とにかく癖の強いキャラクターたちが、一つの部屋でああでもないこうでもないと言ったり、僕たち新婚カップルの言い争いやイチャイチャラブラブした姿は、今までなかなか見ることがなかったと思います。テンポ良く進んでいく作品ではありますが、その中でも我々の会話だったり、ほっこりできるような作品になっているので、ワンシーンワンシーンの会話劇を楽しんでいただけたらと思います。