上田堪大インタビュー 『ブルーキャットエレジー』 「メインとなる楽曲は、自分のカラーからはみ出したものがいい」(後編)
――MANKAI STAGE『A3!』~Four Seasons LIVE 2020~では東京ガーデンシアターという大きな会場(通常約8,000名収容)での公演でしたが、客席のペンライトが光る光景も普段のエーステの舞台とは違ったかと思います。ステージに立ったときの心境を伺えますか。
本当、最高でしたね。(東京ガーデンシアターに)お客さんを入れてやるのが、僕たちが初めてで、今回のライブがこけら落としだったんです。劇場に入った瞬間、めちゃくちゃ広くて綺麗で「ここで(ライブが)出来るの!?」と思って。いつかこの会場で舞台もやってみたいという気持ちにもなりました。
今回、客席は半分以下しか入れられなかったんですけど、まったくそれを感じなくて、満席に見えたんですよね。カントク一人ひとりがペンライトや想いで全部埋めてくれてたんだなと。それが、めちゃくちゃ美しくて、「なんだこの景色、幸せだな」と思いました。
――今回、“ユニット編成”による劇中劇も見どころの一つでしたね。
原作では、東さんが自分の役を他の人がやることに対して、ちょっとした思いがある人なので、「どうしようかな」と思っていたんです。ぶっちゃけ、複雑な気持ちもありましたし。でも、“シャッフル稽古”という形ですし、リーダーである咲也が言うのなら、大人である僕の役は、心の中では、「ん?」と思っていても、“腹を括ってやる”という感覚で臨んでいました。
でも、やっぱり人のキャラクターの、しかも大事な旗揚げ公演の役をやるって凄いことだなと思いました。僕もですけど、みんなそれぞれ思い入れもあるし。しかも、今回僕が演じたロレンス神父はセリフも少なくて、それこそ、自分を出しすぎちゃいけないし。雪白 東として神父をどう演じるか、周りのキャストに迷惑をかけない範囲で、東の良さ、存在感を出せるかっていうのは、かなり考えましたね。
――確かに、皆さんそれぞれに思いがありそうですよね。
エーステ自体が、そもそも役を演じる中で、劇中劇をやるっていうのが、すごく新鮮なやり方だなって思っていたんですけど、今回はまた一つ変わったので、さらに新鮮でした。