演出家・西田大輔インタビュー 舞台『憂国のモリアーティ』case 2 「物語の中にあるスピード感、新たなスケール感を楽しんでいただけたら」
INTERVIEW
――稽古も佳境かと思いますが、座組みの雰囲気はいかがでしょうか?
なかなか作業的にやることもあるんですけど、活気もあって稽古場の雰囲気はすごくいいなと感じています。みんなやる気に溢れていて、いい意味でブレていないというか。演者やスタッフ、全員で同じ方向に向かっているなと思います。
第1弾は真新しさがありますけど、第2弾というのはそれを上回る何かがないといけない。そんな期待に応えられるよういろんな仕掛けを用意してやっているんですけど、いよいよそれが形になりそうな手応えを感じています。
――稽古場の高揚感が伝わってくるようです。これまでに西田さんとお仕事されてきた俳優さんも多く出演されていますよね。
そこはすごく楽しくやっています。これはインタビューだからとかじゃなくて、それぞれのファンの方が想像している以上にみんないいヤツらだと思います(笑)。性格の悪いキャストはいないですね。
稽古場が喧喧囂囂(けんけんごうごう)としているのは、僕はあまり面白くないというか。リラックスした一番いい状態で集中してやろうという気構えで臨んでいます。個人的にも長々と稽古をしたくないので、みんな一点集中でガッとやる稽古場ですね。
――前作の上演後にアニメ化されるなど、原作のメディアミックスも進んでいます。そのことで演出の仕方に変化はありましたか?
とくにないですね。原作、アニメ、それぞれの持ち味がありつつ、舞台は舞台ならではの世界観をきちんと守っていく。いわゆる原作があって、その世界観を舞台に置き換えるならどういう美しさになるのか。「憂国のモリアーティ」はミュージカル版もありますから、舞台の世界観っていうのは、よりきちんとした統一感があるようにと考えています。