荒牧慶彦、瀬戸祐介、糸川耀士郎インタビュー 舞台『憂国のモリアーティ』case 2 「今の空間を支配する機微みたいなものを伝えたい」
――今作で演じられるそれぞれの役柄で、「ここを見てほしい」というポイントはありますか?
荒牧:前作もそうだったんですけど、ウィリアムの「残酷さ」と「穏やかさ」の色分けですね。原作にはウィリアムの二面性を表す描写は少ないんですけど、ステージではやっぱり人が演じるからこそ「今の空間を支配する機微」みたいなものを伝えたい。観劇される方には、そこを楽しんでもらえたらと思います。
瀬戸:僕は先ほども言ったとおり、新聞を多く読ませていただいているところです(笑)。あと、原作ではここにアルバートがいないけど、舞台版だったらいるよってシーンもあるので、そういう細かい部分を注目してもらえると嬉しいですね。
糸川:普段はクールなルイスが、シャーロックと対峙したときに感情を表に出すシーンですかね。それこそ列車の推理合戦のときとかもそうですし。それと、絡みは少ないですけど、3兄弟でいるところも個人的には楽しみです。やっぱり、なんだかんだウィリアム兄さんとアルバート兄さまといる時間って、僕の中では特別な感情が生まれる。うまく言葉にできないんですけど、ぜんぜんほかのシーンと心の持ちようが違うので。
――3兄弟のシーンは特別な空間なんですね。それぞれ役に入るために何か意識していることがあれば教えてください。
荒牧:一作目を経ているので、割とスッと役作りはできているんですよね。なので、今作で何かしているかというとそんなに意識はしてないですね。ただ、どんな舞台でも出る前にストレッチはしています。自分で好みのプレイリストをかけて、曲を聴きながら徐々に体を温めて、気持ちもどんどん盛り上げていくっていうような。それは役柄にかかわらず、ルーティーンでやっています。
糸川:僕もあんまり意識していることはないですかね……。それこそ、しゃべらないけど場にはいるみたいなシーンもけっこうありますし(笑)。セリフだけではなくて、そういうところも意識しています。
瀬戸:この3人、普段の関係性もすごくいい感じなので、スッと入れちゃうところはあると思います。実は今回、アニメのグッズの香水をもらったんですよ。キャラごとに香りが違って、それを嗅いだときに自分の中でまたクッとアルバート味が増した気がします(笑)。やっぱり演劇における匂いってすごいですね。
荒牧:そんな演劇に匂いなんて初めて聞いたわ(笑)。
瀬戸:けっこう面白かったですね、僕的にはそれが。今回ちょっとそれでスイッチ入れようかなと思ってます(笑)。