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瀬奈じゅんインタビュー 舞台『検察側の証人』「憧れの作品に出演できると聞いて、思わず鳥肌が立った」

INTERVIEW

――先ほど小川さんのお名前が出ましたけれども、改めて小川さんの演出を受けられてどんな印象ですか?

もう……「さすが」としか言いようがないです。小川さんがおっしゃること全てがごもっともで、何もかも見抜かれているような気がしてしまいます。

私へのご指摘だけではなく、他の役者さんに対してのアドバイスも聞いていて大変勉強になりますし、改めて感受性が豊かで繊細な方だと感じました。小川さんとご一緒すると新たな発見が多くて、刺激が多い現場になりますね。

――何か今の段階で、印象に残っている小川さんの言葉はありますか?

「自分の台詞よりも相手から投げかけられた台詞を大切にしてほしい」と言っていただきました。私自身、「こういうふうに作ろう」、「こういうふうに演じよう」と役を作り込みすぎてしまうと、にっちもさっちもいかなくなってしまったりするので、いただいたその言葉を大切にしています。

芝居において相手の台詞を大事にするというのは基本的なことではありますが、「それをいつも忘れてはいけない」と小川さんの言葉からひしひしと感じます。

――相手からの台詞をその場で初めて受けるように演じるということですか?

まさにそうですね。以前、小川さんと『FUN HOME ファン・ホーム ある家族の悲喜劇』というミュージカルでご一緒したのですが、そのときミュージカルの演出をするのが小川さんは初めてで。「なぜ今歌い出すの?」、「なぜみんな前を向いて歌うの?」など……小川さんからしてみると疑問や不思議なことだらけだったようです。

ミュージカルに慣れている私たちにとっては当たり前だと思ってやってきていたことなので、その反応がとても新鮮でしたね。改めて演劇というものを、そしてミュージカルというものを考えさせられた瞬間でした。

当時も小川さんは「歌詞を忘れてください」とおっしゃっていて。「目に入ってきたもの、心で感じたことを言葉にするだけにしてください」と何度も口にされていました。どうしてもミュージカルは音程があって、歌詞があって、リズムがあって……ということに囚われてしまうので、「忘れる」というのはとても勇気のいる行為でした。それでも歌詞を忘れて、音程を忘れて……全てを忘れるように思い切ってそのとき挑戦してみたのです。そしたらすんなりと気持ちが流れて。やってみる前は怖いと思っていましたが、挑戦した価値がありました。

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THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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