和合真一、壱位仁井、岡本貴也インタビュー 『死ヌ事典 _ars_moriendi』「同世代の人たちが、いろいろなことを思って生きていることが感じられる」
――では、今作の見どころについて改めてうかがえますでしょうか。
壱位:見どころは全てにおいてあるとは思うんですが、強いて言えば僕が出るシーン1ですかね。精神的なバランスがすごく難しいお芝居なんですけど、こんな短いストーリーの中に岡本貴也という人間の大逆転劇みたいものが描かれていて、短いストーリーなのにここまで見せるかという感じで。
演じさせてもらってすごく幸せな部分もありますし、難しいと思う部分もあって、笑ったり泣いたり本当に騒がしいんです。でも、それが人の心なんだなというか、人の死というものは笑いもあり、涙もあって。そういった部分をちゃんと見ていただきたいなと思います。
岡本: キャスティングですね。本当にすごいです。小劇場だろうが大劇場だろうがピタっとハマるし、自由度も高くて。皆さん上手いし、なんでもやってくれます。 本当に小劇場のトップレベルのキャスティングだと思います。オムニバス中、どの話も面白いので、ずっと時間が濃いし楽しく感じてもらえるかと。
今回は、“死”というテーマですが、決して暗い話ではなく、いかに生きていくかという話なので、希望に溢れてますし、泣けるし笑えます。じつは僕、脚本が書きあがった瞬間に再演したいと思いました。こんなのは初めてです。毎年でもやりたいと思うくらい、いい本が書けたので、ぜひ観に来ていただきたいです。
和合:脚本を読ませていただいた時点で、すごくワクワクして、顔合わせのときに本読みをしたんですけど、その時点でほぼほぼ完成していたというか。今までは、年下の方と共演させていただくことの方が圧倒的に多かったんですけど、今回は年上の方が多い舞台なので、いろいろ勉強させていただきながら、一緒に成長しつつ、役者としてここを皮切りにさらに躍進していきたいなと思います。
(役者として)一皮も二皮もむけたと、ファンの方におっしゃっていただけるのが最高の褒め言葉だと思いますし、『死ヌ辞典』に出たからこそ、今があるんだぞっていうのを先々言えるようにしたいですね。ポテンシャルをフルに活用できるように、岡本さんや先輩方に指示を仰ぎながら頑張っていきたいなと思っています。先ほどもおっしゃられていましたが、題材としては重いんですけど、本当に舞台として誰もが楽しめるものになっていますので、年齢問わず、全世界の方に来ていただきたいです(笑)。
あっ、全世界というのは配信がありますので、70億人の方に観ていただけるように頑張っていきたいなと。世界の和合として(笑)。今は、ネットで繋がる時代ですから、そういった形でも皆さんに観ていただけたら嬉しいなと思います。
取材・文:THEATER GIRL編集部
Photo:比留川義一